2018年が終わる。
マジか。マジかという気持ちである。年々時の流れの早さに驚いているのだが、今年はおかしかった。この一年はなんだか特別すぎて、脳のCPUが追いつかない。恐ろしい。
そして例年にも増して音楽を聴いた一年であったようにも思う。ライブもけっこう行ったし、なぜかレゲエバ ーでラップもした(なんで??)。なので、人生で初めて年間ベスト的(アルバム単位)なのをやります。専門的なことは何も言えないのですが、この人こんなの聴いてるんか、ぐらいのテンションで見てもらえるとちょうどいいかなと思います。
・ai qing/KID FRESINO
2月に「coincidence」が先行リリースされて3月にPV公開された時点で、今年ヤバいんちゃうかという期待がブチ上がってしまった。で、案の定アルバムもこの仕上がり。10月に味園のCHOICEでSeihoと出てたステージングも最高だった。髪型だけ見れば金属バットだった。
VIDEO www.youtube.com
・DREAM WALK/パソコン音楽クラブ
パ音はいいよなぁ〜〜ライブ行かなきゃな〜〜つって今年3回ぐらい干した(バカなのだろうか)。いや、ホントに生でライブ観たいのよ。もうさ、あんま遅い時間にメトロでやるのやめようぜ。でもやっぱ踊り疲れた3時ぐらいから聴きたい気持ちもあるよ。「Inner Blue」名曲すぎんよ〜〜Batsu氏によるremixも最の高。
www.youtube.com
・愛をあるだけ、すべて/KIRINJI
コトリンゴ が脱退したのは本当に残念なのだが、決してぶれないその幹の太さ、その姿の異質さたるや、さながら
屋久 杉である。「非ゼロ和ゲーム」とか、どうかしてるとしか言いようがない。ググれば堀込兄の思う壺と思い癪だったので、
Yahoo! で検索した。タイトルのキャッチーさ、メロディのポップさ…This is Grooveの極北。
VIDEO www.youtube.com
・Love Me/HONNE
一気にジャケの方向性が変わって笑った(怖い)。あのダサい日本語帯が好きだったのでちょっと残念な気持ちだったけど、曲は全部とても良かったです。去年の「
Just Dance 」はかなり踊れてカッコよかったけど絶妙にダサい感じもあって、でもそこもまた良かった。俺はホンネにちょっとダサくあり続けてほしい。
VIDEO www.youtube.com
・Traversa/Geotic
いわゆる美メロエレクトロやな〜〜という感じ。そういうのはもともと好きなので、久しぶりに聴いても気持ちよく聴ける。ひたすらに聴きやすくて、SF読むとかそういう時に聴くとサクサク読めそう。
i am robot and proud と同じカテゴリだと思っている、アニメーションとの親和性たかそうな感じとか。知らんけど。
VIDEO www.youtube.com
・POLY LIFE MULTI SOUL/cero
上半期のベストはと問われたなら、これだと言わざるを得ない。ブラックミュージックやアフロビーツの音像、或いは
ポリリズム を取り入れた大胆かつ緻密な曲構成。別に洋楽と邦楽でどちらが優れているかといったクソみたいな議論に興味はないが、ここまで「世界の潮流」を読みそれをこのクオリティでアルバム作品としてまとめ上げられる日本人のアーティストがどれほどいるのか、と考えてみると、ちょっと
cero 以外には出てこないようにも思える。アルバム内の楽曲につけられた「遡行」という曲名がワールドワイドな彼らから見た日本のミュージックシーンに対する皮肉、というのはもちろん僕の邪推である。
VIDEO www.youtube.com
・Cassa Nova/落日飛車
バンド名がいいですね、本当に。字面最高な上に「サンセットローラーコースター」て。アジア圏のバンドとかアーティストがアツいアツいとは小耳に挟みつつもちゃんと聴くようになったのは今年からでした。シティポップ、
AOR の流れを汲みつつ
エス ニックなエッセンスも加えつつ(そうなのか?)アルバム通してええ塩梅になってるように思います。「Cool of Lullaby」が特に好き。
VIDEO www.youtube.com
・Crumbling/空中泥棒
名前が素敵シリーズ。“Mid-
Air Thief”て。もともとは『公
衆道 徳』名義で活動してた韓国の人のソロプロジェクト。
Apple Musicの当てにならないジャンル分けでは「シンガーソングライター」となっているがあんまりそういうのも気にせず聞いた方がいいな。お、女性ボーカル入ってるやんと思って調べたらSummer Soulの人だった。アルバム通してなぜか立ち並ぶ
公団住宅 とかの風景が想起される感覚というか、奇妙な懐かしさがあって大変素晴らしい。
VIDEO www.youtube.com
・ソングライン/くるり
サンキュー
くるり サンキュー岸田!音博ちょう楽しかったぜ!!
ハイネケン と
バドワイザー で乾杯や!!!
VIDEO www.youtube.com
・Freeway/んoon
この夏一番聴いたかもしれない。PVのサムネからは想像もつかないほどの極上の
ボサノヴァ です。そしてだんだんこの曲にはこのPVしかないと思わされるようになる。なんなら一回夢にも出てきた。「Tragedy」とかも聴いてて心地よい。EP入手しそびれたの悔しいよ俺は。
VIDEO www.youtube.com
・Room 25/Noname
Noname普段からめちゃめちゃ聴きこむ感じのラッパーではないけど、声がすごい好みである。今でこそサグめの
ギャングスタ ラップも好き(笑っちゃう)だけど、こういうR&Bの延長線上にある感じのメロウなビートに乗っけるフロウのラップはシンプルにストレスなく聴けるので相対的にヘビロテしがち。外国のラッパー(ラッパーに限らずですが)はポリティカルなメッセージとか社会に対するオピニオンをしっかりリリックに組み込んでいるイメージが強くて、そこを踏まえた聴き方ができるともっと面白いんやろうな……と思う。「詩人」と呼ばれる彼女の楽曲であればなおさら。
VIDEO www.youtube.com
・なんて素晴らしき世界/Tempalay
いつの間にかベースが脱退してキーボードが加入していたTempalay。メンバーは変われど洒脱なサイケっぷりは健在で、アッパーとダウナーの間をふらふらさまよう感じのグルーヴが最高。先行リリースの「どうしよう」は「Oh.My.God!!」ぶりに食らった。
VIDEO www.youtube.com
・BALLADS 1/Joji
Jojiを筆頭に今年は88risimg勢の勢いが凄かった。YouTuberから本格的にアーティストに転向するのってイメージ的にも絶対難しいと思うのだけれどそれを成し遂げてるわけだからやっぱり才能マンなんやな……。とりあえずPVで死にすぎ。
VIDEO www.youtube.com
・The Beam/BIM
みんなのアイドルBIM坊ちゃんの待望のソロアルバムだ!!全16曲という大作である。PUNPEE が参加した「BUDDY」は言わずもがな、jjjプロデュースの「Tissue」が個人的にめちゃめちゃツボ。hookの「乾いたウェットティッシュ は なんでゴミ箱の中で泣いてる それは一体なんでか聞きたい」の意味を聞きたい。
VIDEO www.youtube.com
・Quarterthing/Joey Purp
https ://itunes .apple .com/jp/album/quarterthing/1435279935?uo =4&at=10l8JW&ct=hatenablog
この記事を書くにあたっていろんな人の年間ベストを参照したけど、なぜかこのアルバムは誰のベストにも入っていなかった(Mitskiの「Be the Cowboy」はどこのベストにも入ってた)。でもホンマに好きや〜〜Joey Purp。シカゴのラッパー感ゴリゴリで、ただただカッコいい。頼むからフィジカルリリ ースしてくれよ。買うし。リード曲のElasticの切れ味は異常。
VIDEO www.youtube.com
・Saturn/Nao
R&Bというジャンルで言えばこの人の声もまた異質な部類に入りそう。美声というよりクセのあるハイトーンボイスといった声質で、それがまた不思議と良い。そういえば去年MURA
MASA と一緒にやってた「Firefly」も名曲やったな〜〜
VIDEO www.youtube.com
・Animals Acoustic/TTNG
ほとんどポストロックらしきポストロックは聴かないけど、TTNGに関しては追わずにはいられない。This Town Needs Guns名義だった2008年にリリースされたアルバム「Animals」のアコースティック版。アルバムタイトル通り、すべての曲が「Chinchilla」「Panda」「Lemur」と動物の名前が付けられている(Lemurって何かと思ったら
キツネザル でした)。きっちりアコースティックに再構築されていて聞き応え十分。
VIDEO www.youtube.com
・Inside Voice/Joey Dosik
https ://itunes .apple .com/jp/album/inside-voice/1386071061?uo =4&at=10l8JW&ct=hatenablog
Marvin Gaye と比較されることも多いJoey Dosikの1stフルアルバム。ホワイトマーブルのカラーバイナルが実にオシャレで気に入っておりますが、内容もしっとりとした歌声とメロウなサウンド がとにかく聴かせる楽曲揃い。「人間のための人間の音楽」というコンセプトは伊達じゃない。
VIDEO www.youtube.com
・Cranberry/Hovvdy
Hovvdyのジャンル分けやら紹介文なんかを見てると「ベッドルームプロジェクト」なる文言が出てくることがあって、意味はよくわかってないけどHOMESHAKE(マック・デ・マルコの元ギターのソロプロジェクト)もそんな呼ばれ方してるな……なんてことに思いを馳せてみるとふわっと理解できるようなできないような……。そもそもは制作環境としてシンセとか
MTR さえあればスタジオでなくとも寝室程度のスペースでも音楽は作れる、的な意味合いからついた名前だったと思うのだが、概して浮遊感や広がりのある
サウンド が特徴的な、まさに寝室でリラックスして聴くのに打ってつけの楽曲が多いんだよな、という所感。てか、もはや「ベッドルームポップ」なるジャンルもあるみたいだし、そういうのとごっちゃになっちゃってんじゃないか。言わずもがなですがPetalは大名曲なので未聴の方は是非。
VIDEO www.youtube.com
・Stray Dogs/七尾旅人
七尾旅人 もまた、変わるところはガラッと変わるし、それでいて大事なところはずっと残しておくみたいなことがしっかりできる器用な人やな〜〜と思う。「Leaving Heaven」は「メ
モリー レーン」に似てるけどどちらも好きです。「
DAVID BOWIE ON THE MOON」はなかなか衝撃的だった。
VIDEO www.youtube.com
・Eutopia/STUTS
結局こうなってしまうのである。年間通していろんな楽曲がリリースされる中で、できる限りその多くを耳に入れたいと思う一方で自然と繰り返し聴いてしまう音楽がある。そのクレジットにはSTUTSという文字列がよく並ぶ。今年1番聴いた楽曲は何か?ーー正直に言えば去年の暮れにリリースされた、STUTS×SIKK-O×鈴木真海子の「Summer Situation」だ。
VIDEO www.youtube.com
このアルバムには仙人掌、一十三十一 、鎮座DOPENESS 、長岡亮介 など、いろんなジャンルのアーティストが参加していて、それらのアーティストが一枚のアルバムの中で誰かが浮くとかいうこともなくそれぞれに魅力を発揮できているというのは、偏にSTUTSというトラックメーカーの実力の証左でもある。全ての楽曲に共通して感じるのは、feat.するアーティストへのリスペクトだ。
そんなSTUTSのスタンスを象徴しているのがアルバムのラスト15曲目、JJJが参加した「Changes」である。「全て罪に目を瞑る」から始まる歌詞の端々にはFla$hBackSの元クルーであるフレシノへのメッセージや、同じくクルーでありながら今年2月に夭逝したFebbへのR.I.Pが感じられる。そのリリックがSTUTSの美しくも哀愁漂うトラックに乗せられている。そして先日、この曲のPVが発表された。
VIDEO www.youtube.com
新たな命を授かったフレシノ、旅立ったFebb、その二人へ向けられたJJJの眼差し。その瞳に込められた想いをただのリスナーでしかない僕なんかが正しく言い表すことは勿論できないが、例え月並みな表現でもその気持ちを「愛」という名前で呼ぶことは間違いだろうか。2018年のアンセム としてこれ以上にふさわしい音楽を僕は知らない。
もっともっといろんな楽曲があって、思い返せばきりがないのだが、悲しいかな、そろそろ今年も終わってしまう。平成もたけなわ、これにて聴き納め。音楽との出会いがアホみたいに素晴らしい出会いをつくってくれることを僕は知っている。