君の名は(ギャンダマン)。

最近おかしな夢をよく見るようになった。

或いは、夢とはそもそもおかしなもので、起きた後までその夢を覚えていることが多くなった、と言ったほうが正しいかもしれない。

 

直近で言えば、ジャルジャルの後藤の一人称視点で、両腕を二匹のサソリに刺される夢を見た。

簡潔に言い過ぎて何がおかしいのかわからないという人のために解説すると、

①バラエティ番組でよくある「箱の中身はなんだろな?ゲーム」のようなシチュエーションではなく、普通の道端で刺されたこと

②何より刺されているのはあくまで後藤であるということ

この二点がおかしい。

 

 

他にもここ二週間ほど、ほぼ毎日いろいろな夢を見たが、今ではほとんど忘れてしまった。

夢と現実との決定的な違いとも言えるが、夢の記憶は記録しない限りほとんど定着しないように思っている。

残っているのは、おかしな夢を見たとき特有の、現実に戻るまでの寝惚けているようで覚醒しているような浮遊感だけである。

 

 

まさにちょうど二週間ほど前、映画『君の名は。』を鑑賞した。

タイトル通り、夢で入れ替わった相手の名を思い出せない高校生の男女をめぐる、若年性健忘症に警鐘を鳴らす良作である。

まさか『君の名は。』がここ最近のおかしな夢の原因とまでは思わないが、夢の内容は全く覚えていないのに謎の固有名詞だけを覚えているという逆パターンの夢をひとつ見た。

 

 

「ギャンダマン」という名前に聞き覚えは無いだろうか?

 

ない。僕は全くない。

夢は一種の深層心理などと言うが、「ギャンダマン」が僕のどういった心理を表しているというのか。

なんとなくだが、ロクなものを表していないような気がする。

 

ギャンダマンで検索したところ、それらしきものは見つからなかった。

代わりにビーダマンのガンダム版である「ガンダマン」がヒットしたが、バンダイには申し訳ないが僕の人生にガンダマンは今のところ登場していない。

 

辛うじて覚えているのは「ギャンダマン」という言葉が出てきた文脈だけで、

女の子(身近な人のような気がするのだが誰だかわからない)が

「ギャンダマンやないんやから」

と笑いながら僕に言ったのだった。

 

 

すなわち、僕の何らかの言動が、彼女の目には「ギャンダマン」のように映ったのだろう。

「ギャンダマン」が何者なのか、そもそも人物なのか、それすら真相は闇の中である。

しかしあの夢の中で、僕は彼女を笑顔にすることができた。

ただそれだけが揺るぎのない事実であり、彼女が笑い声をあげたその瞬間、僕は確かに、彼女だけのギャンダマンであった。

 

 

だけどギャンダマン、君にひとつだけ聞いておきたいことがあるんだ。

ゴッドタンって番組を君は知ってるだろうか?

テレ東のおもしろいバラエティで、最近しょっちゅうYouTubeで見てるんだ。

そのゴッドタンの看板企画で、キス我慢選手権ってのがあってね、その日も確か布団の中で、その企画を見てたんだ…

 

ギャンダマン、もしかして君は、僕が思ってるよりずっとロクでもないやつなんじゃないだろうか?

僕は、夢の彼女に何を言ったんだ?

今となっては何も思い出せない。

 

 

ただひとつ思い出せる、君の名は。