少女は燐寸を擦るために煙草を吸う

幼い頃から転勤族であった自分にとって、故郷と呼べる場所はない。大人になれば散策してその街で生活することの楽しさを享受できるが、二、三年で住む街を味わい尽くすには子供の行動範囲ではあまりに足りない。時間や金銭における自由を手にする大学生活を過ごした京都は、そんな自分にとってはじめて「故郷」と呼べる場所になった。片道一時間半をかけて通うその道のりは、いつの間にか一瞬になった。阪急烏丸駅から地上に出た瞬間の空気が何よりも馴染むようになった。街の変化を歓迎し、惜しむようになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ものすごく体裁よく書いてたのに、このテンションのまま続けられなくなってしまった。直情的な気持ちをカッコよくまとめるのって難しいな。何かと言うと、結局未だに京都に住みたいという話です。

京都が好きだ。京都と付き合いたい。初デートはもちろん京都、六曜社でドーナツ食べたい。3年半の交際を経て京都と結婚したい。京都と恥じらいながら初夜を迎えたい。京都との間に2人の子供を授かりたい。京子(長女)を一足先に春の鴨川に連れてってあげたい。京子と京平(長男)が5歳と3歳になったら船岡温泉デビューさせたい。7歳と5歳になったら京都音博に連れて行きたい。帰って疲れ果てた京子と京平に、子守唄で宿はなしを歌ってあげたい。

 

最近いろいろコソコソ頑張っている。本当はちゃんと結果が実を結んでから書きたくて、途中で言葉にすると零れ落ちそうでひと月ぐらい我慢してたけど、なんかもう期待と不安で押し潰されそうなのでとりあえず文章にしたらこんな感じになってしまった。俺は京都に住むために文章を書きたいよ。